家庭用太陽光発電設置までの流れ
他の記事で紹介しましたとおり、マイホーム購入後数年して、太陽光発電を後付けで設置しました(マイホーム購入までの記事はこちら)。当時は投資としての収支よりも、設置の動機は「エコブーム」に便乗している満足感と、妻からの「電気代が高すぎる!」という突き上げへの対応策として考えておりました。
何しろ夏は暑く冬は寒い地域でしたので(年に何回か雪も降ります)、冬の暖房費が馬鹿にならなかったことと、オール電化(エコキュート)にしていたため電気代はかなりの額になっていました。当時は妻が家計のやりくりをしていたので実感はなかったのですが電気代が3万円/月を越える月もありました(201○年1月 32,057円)。そんなこんなで2014年に設置の運びとなりました。
家庭用太陽光発電システムとは
太陽光発電システムは、モジュール(屋根に付けるパネル)とパワーコンディショナーなどの機器を組み合わせて、太陽からの光エネルギーを電力に変換して発電します。我が家は蓄電池を付けなかったため、発電した電気を貯めておいて夜間に使用することは出来ませんでしたが、現在は蓄電池の価格もだいぶ下がったようです。日照時間中の蓄電した電力と使用電力との差(蓄電量-使用電量)を電力会社に売ることで(売電)収益を生み出すシステムです。
この売電価格は年々低下しています。私が設置した2014年は10kW未満の売電価格は37円/kWhの(10年間)でしたが、2021年現在は19円/kWh(10年間)まで低下しています。2022年度はさらに17円/kWhまで低下するようです。
投資として太陽光発電システムを考える
我が家が太陽光発電システムを設置したのは2014年でした。当時も売電価格は年々低下していましたが、売電価格が低下する前の段階で導入していればより収益が上がったのか?というと、必ずしもそうとは言えません。
売電価格と同様に太陽光発電システムの価格も低下しているからです。当然のことながら、性能も向上しています。家電製品や自動車の10年前モデルと現況モデルを比較すればイメージしやすいと思います。さらに私がシステムを導入した2014年頃から、国内メーカーだけではなく中国メーカーの低価格なモデルも発売されるようになっていました。年々導入コストは下がっていく傾向にあるようです。
太陽光発電を投資として考えた場合も「いかに安く仕入れていかに高い収益を出すか」という点では不動産投資と同じです。むしろ毎月の収益を予想しやすい太陽光発電の方が、家賃が変動し、空室が発生するリスクがある不動産投資よりも収支を予想しやすく初心者向けの投資と言えるのではないかと思います。もちろん実際の売電価格は季節や天候、日照時間(地域)により変化しますので、導入前に業者さんから、その地域での(これが重要)実際の導入例の収支を見せてもらうと良いと思います。
私が実際に設置した太陽光発電システム
私はソーラーフロンティアのシステムを導入しました。モジュール30枚を組み合わせた5.10kWのシステムです。
1,411,100円、工事費が340,000円、値引きが229,195円でした。結構値引きも頑張ってくれたと思います。トータルの支払額が税込み1,598,000円、約160万円ですね。
お金のなかった当時の私はこれも頭金無し159万円を元利均等でフルローンを組みました。金利は失念してしまいましたが、毎月のローン支払額が14,612円でしたので、おそらく10年間の元利金等1.975%だったと思います。これとは別に設置からしばらくした頃に、補助金が振り込まれましたので実際の支払額は160万円よりも安く抑えられました。
太陽光発電設置の際に重要となるのが、工事を委託する業者さんと、設置する発電システムメーカーの選択です。特に私のように住宅を建てた後に後付けで設置する場合は、住宅メーカーの提携に会社に縛られる必要がないので選択肢が広がります。私は、逆にどこの業者やメーカーが良いのか、選択する基準が分からないため途方に暮れてしまいました。結果的には私が委託した業者さんは、規模は小さい会社でしたが、地域密着型の業者さんで、仕事も丁寧でアフタービスもとても満足のいくものでした。
私が業者さんを選ぶ際に利用したサイトが下記のサイトです。当時はアマゾンギフト券プレゼントを実施していました。ご参考になれば幸いです。
太陽光発電の補助金
私の購入当時の2014年は、補助金制度が手厚かったので、補助金は国、県、市町村それぞれから補助金が出る3層構造でした。残念ながら、国からの補助金は、私がソーラーシステムを購入した2014年1月の2ヶ月後の2014年3月31日に廃止され、現在も復活していないようです。これは言い換えるとそれだけ設置コストが下がったことを意味しています。
一方で、現在も市町村によっては補助金制度を設けている場合が多いので、お住まいの地域の役場に確認されると良いと思います。ここで気をつけたいのは市町村の補助金は先着順だということです。私が購入したタイミングも年度末の1月だったので、役場の担当者からは「場合によっては、枠がなくなってしまうかもしれません」と念を押されました(何とか募集枠に間に合ったようで受け取ることができました)。色々な意味でまさに駆け込みでした。私が受け取った補助金の内訳は以下の通りです。
国から102,000円+県から80,000円+市町村から150,000円=332,000円
補助金の合計は33万2千円になります。注意点としては、これらの補助金は太陽光発電システムの購入金額と相殺することはできないということです。補助金は、購入後にそれぞれ別々のタイミングで銀行口座に振り込まれるシステムでした。設置コストの総額が1,598,000円でしたので差し引き126万6千円で5.1kWのソーラー発電システムを設置できたことになります。この話を後輩や研修医の先生方にすると「先生はずいぶん得をしましたね」と言われることが多いのですが、先ほども申し上げましたとおり、現在はより高性能な太陽光発電システムを、当時よりも廉価で設置できる絽思いますので、要は126.6万円で5.1kWのシステムが組めれば損得はありませんよね。一つの指標にして頂ければ幸いです。
投資としての太陽光発電システムは収益が出るのか?
実はここが一番気になるところではないでしょうか。先に答えを行ってしまえばYes !です。絶対的に設置して良かったと思います。太陽光発電による収支の考え方は
- 毎月の電気代がどれだけやすくなるか
- 購入金額に対して売電価格の収益がどのくらい出るのか
の2点から考えると良いと思います。太陽光発電が稼働している時間帯は
売電量(kWh)= 発電量(円kWh)- 電気使用量(kWh)
ということになりますので、売電価格がプラス収支であれば、発電量>電気使用量となりますので、日中の電気代が安くなっているはずです。私が導入したソーラーフロンティアのシステムでは専用の小型タブレットでリアルタイムに発電量と電気使用量をモニターすることが可能でしたが、真夏、真冬以外の天気が良い日の日照時間はほぼ発電量>電気使用量でした。タブレットに表示されるのはあくまで「kWh」であり、「円」ではありませんが、実際には電力量と電気料金は(買電も売電も)限りなく正の相関関係にあります。上記の各金額は最終的に毎月の電気料金支払時の明細に円で記載されるので明細をみるのが楽しみでした。
それでは実際に、我が家の2016年の収支をみてみましょう。平均気温や日照時間は毎年変化しますので、毎月の電気代がどれだけ安くなったのかを厳密に計算するのは難しいですが、前述の通り、売電できている時点で少なくとも節電されているはずなのでこれはプラスαとして考えることにしましょう。また、太陽光発電システムの法定耐用年数は17年ですが、実際にはパワーコンディショナーの寿命が10年間と言われており、10年くらいで何らかのメンテナンス費用が発生することを考えて、私が実際に組んだ10年間、元利均等ローンの毎月の支払額が売電価格を上回っていれば収益が出ている(ざっくり)と考えてみます。
年間で33,200円+節電(省エネ)分の収益が出ていますね。単純に考えれば10年間で33万円(+α×10円)!
しかも不動産投資と異なり、少なくとも設置から2021年現在まで修繕費などのメンテナンスがかかったことは一度もなく(経費0円)、空室もありません(笑)。ランニングコスト0円で、毎年毎年、収益を出し続けてくれています。何と優秀な物件でしょうか!
というわけで結論:太陽光発電システムは設置して大正解だった!
(補助金制度など、本検証当時と現在の状況との間に乖離はあります。また、設置地域により発電量も異なりますので、必ず御自身で良く検討し、自己責任で設置を御検討ください)